白零サッヴァークダンテとGP6th反省会

大型大会の終わった後の、いろんな人が試行錯誤して生まれたデッキレシピやその調整過程が書かれたブログがたくさん見れるこの一週間がかなり好き。

 

GP6thに参加してきました、サカキです。

結果は残念ながら個人4-4、チーム6-2で予選落ちでした。

この結果を受け止め、今回は使用したデッキのざっくりとした解説とGP6thの反省を書かせてもらいます。

 

<調整経緯>

GP6thに向けて、最初は以前記事で紹介した白青黒ミラダンテⅻを改良して参加する予定でした。GPの予選は8回戦と長いです。この長丁場を戦うにあたって、なるべく使用経験のあるデッキを使いプレイミスや思考時間を減らしたかったこと、ミラダンテⅻ+ミラクルストップというほとんどのデッキに刺さる勝ち筋が魅力的だったことが理由です。

この時自分は安定性が高くブン回った時には不利対面ですら覆せるジョーカーズが環境で最大母数を占め、そのジョーカーズに対して有利の取れるデスザーク、デスザークに有利が取れジョーカーズに対しても勝ち筋を用意できるシャコ系統の3デッキが環境内に多く存在すると考えました。なので使用するデッキは少なくともこの3デッキのうち2つには有利が付き残る1デッキにも勝ち筋を用意できることを理想としました。

新弾発売直後は白青黒ミラダンテⅻならこの条件を満たせると思っていました。アナカラーは相手のフィニッシュよりもミラダンテⅻ+ミラクルストップをそろえるほうが圧倒的に早いので楽勝、デスザークはタイガニトロに対してはリバイブホール+ミラクルスターで返せるしヴォルグによるLOも仕掛けられるので有利、ジョーカーズもニヤリーゲットが絡まなければハンデスと除去をぶつけ続けて勝てる試合もあるだろう・・・と、楽観的に考えていました。実際にアナカラーにはほぼ負けることはありませんでした。しかし、問題はヴォーミラを手に入れたデスザークとガヨウ神を手に入れたジョーカーズです。ヴォーミラの追加によってこちらの除去が間に合わずリソースを広げられて負ける試合が増えました。ヴォーミラでヴォーミラを吊り上げるのもヴォーミラの数だけ蘇生効果使うのも勘弁してくれ・・・。またジョーカーズ対面では5コストのドローカードがヘルコプタからガヨウ神が主流となったことでデモンズライトで相手のドロー数を減らすことができなくなりました。ガンバトラーによって増えた手札ため込んでワンショット取られるのも辛い。これらに対抗するべく奇石ミクセルを採用したり青白でホーリー+ジェイルハウスギミックを入れたり天門カイザルバーラセイントローズしてみたり・・・・その他いくつかの解決策を試してみるもうまくまとまらず困り果てていました。

調整をしている最中、風のうわさで奇石コントロ+ホーリーでジョーカーズの攻撃を無限に受け続けるギミックを聞きました。この時、自分の頭の中にはロージアではなく別のデッキが思い浮かびました。それは過去に使用経験があり今回のデッキの原型となった白零サッヴァークです。

 

 

 

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1月27日にDMRP-04魔が発売した直後に作成しvault大会で優勝した時のレシピです。

当時は禁断開放をケアできるDG~裁キノ刻~とDG~ヒトノ造リシモノ~+命翼ノ裁キの受けギミックが流行していた赤黒バスターに刺さり、多くのプレイヤーが試作していたデスザークに雷面が刺さり、ちょこちょこいたゲイルヴェスパーに対して圧倒的有利だったので勝てていたような気がします。3か月前の事なのでちょっと記憶が曖昧。静岡CSでの使用に至らなかったのはその後台頭してくる赤青バスターのGWDとワルスラがめちゃくちゃきつかったこととジョーカーズには全然勝てなかったからです。 ですが今は赤青バスターが以前より減少して有利であるデスザークが増えている環境。あれ?ここに無理なく入れられる対ジョーカーズギミックとミラダンテⅻ+ジャミングチャフの封殺コンボを組み込めば戦えるのでは・・・?

 

こうしてGPまで残り1週間を切った頃、白零サッヴァークダンテの調整が始まりました。こちらが最初に出来たリストです。

 

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 白零サッヴァークダンテ コントロ採用型

 

 

4 x 奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ
4 x 剣参ノ裁キ
4 x 戦慄のプレリュード
3 x 奇石 コントロ
1 x ロジック・キューブ
1 x ロジック・スパーク
1 x プロテクション・サークル
1 x 音感の精霊龍 エメラルー
4 x サッヴァークDG
2 x DG ~ヒトノ造リシモノ~
4 x 煌龍 サッヴァーク
4 x 断罪スル雷面ノ裁キ
3 x 時の法皇 ミラダンテXⅡ
4 x 閃光の守護者ホーリー
 
1 x 龍魂教会 ホワイティ/極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド
2 x 龍魂城閣 レッドゥル/極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド
1 x 真聖教会 エンドレス・へブン/真・天命王 ネバーエンド
1 x 革命槍 ジャンヌ・ミゼル/聖槍の精霊龍 ダルク・アン・シエル
1 x 百獣槍 ジャベレオン/百獣聖堂 レオサイユ/頂天聖 レオザワルド
1 x 天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン/天命讃華 ネバーラスト
1 x 浮遊する賛美歌 ゾディアック/賛美の精霊龍 ハレルヤ・ゾディア
 
 
 

 4t目プレリュードをメインに前述した通りコントロ+ホーリーの受けギミックを採用。それまでは天ニ煌メク龍終ノ裁キで打点を増やすくらいしかなかったフィニッシュ手段が存在しませんでしたがミラダンテⅻと新たなメタリカインパクトカード奇石ミクセル/ジャミング・チャフのおかけでロージアダンテと同じフィニッシュ手段を手に入れました。作ってすぐ「あれ?このデッキ最強じゃね???」と一人ではしゃいでましたがボロボロと問題点が現れすぐに現実に引き戻されました。世の中そんなに甘くない。

 
~たくさんある問題点の一部~

・受けギミックのせいでデッキパワーが低い。とても低い。

 受けギミックに9枠使っていますが特定のデッキ以外には使わないのでマナにしか行きません・・・一番深刻な問題点。

・受けギミックを完成させる前にジョーカーズに殺されることがある。

 コンボを決めるにはサーチの利かないホーリーを素で引くor素で盾に埋めないといけません。最もパーツを集められるサッヴァークDGは早期に着地させるためにプレリュードを手札に抱える必要があります。あれ?このギミック決める要求値高くね?

・ジョーカーズ以外のデッキに対して受けギミックが毎ターン3コスト払って時間稼ぎにしかならない。

 レッドゾーンZによる盾焼却、5000GTやミラダンテⅻによる召喚制限、デスザークによるタップ効果、本日のラッキーナンバー、単射マグナム、これらすべてが回答になります。またケシカスが入っていた場合ジョーカーズもこの受けを崩せます。なのでこれらが使われる前にゲームを決める必要がありますがそんな火力のあるデッキではありません。悲しい。

 ・展開を6コスト2種に頼り切りのためキルターンがかなり遅い。

 主要な展開手段がサッヴァークDG→雷面で除去→煌龍降臨、もしくはDG~ヒトノ造リシモノ~でメタリカを捲るくらいしかありません。どちらの踏み倒し手段も要求値が高い・・・

・タイガニトロやロストソウルが直撃してしまう。また、これらを返す手段がかなり限      られている。

 防鎧を抜いてミクセルに枠を割いた結果です。ここでも返しを6コスト2種に頼るしかありません・・・。

 

 他にもいくつか問題がありましたが書いてて悲しくなってきたのでこの辺で。天才的発想だと思ったんだけどなぁ・・・

ここで構築が行き詰ってしまったので信頼のおけるビルダーであるブラックアイズ片倉氏(この名前で呼んでる人を見たことがないので以下イノさんと呼びます。)に相談したところGPに向けて奇跡的に似ているデッキを練っていたのでアドバイスしてあげるとの連絡が。奇石コントロギミックは入ってなかったけど。

アドバイスを受けて最終的にGP6thに持ち込んだリストがこちらになります。

 

デッキリスト解説>

 

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白零サッヴァークダンテ GP6th ver

 

4 x 奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ
4 x 剣参ノ裁キ
4 x 戦慄のプレリュード
3 x 絶対の畏れ 防鎧
1 x ロジック・キューブ
1 x ロジック・スパーク
2 x ドラゴンズ・サイン
4 x サッヴァークDG
2 x DG ~ヒトノ造リシモノ~
4 x 煌龍 サッヴァーク
4 x 断罪スル雷面ノ裁キ
1 x 真・龍覇 ヘブンズロージア
3 x 龍装の悟り 天命/ヘブン・デ・エンドレーザ
3 x 時の法皇 ミラダンテXⅡ
 
1 x 龍魂教会 ホワイティ/極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド
2 x 龍魂城閣 レッドゥル/極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド
1 x 真聖教会 エンドレス・へブン/真・天命王 ネバーエンド
1 x 革命槍 ジャンヌ・ミゼル/聖槍の精霊龍 ダルク・アン・シエル
1 x 百獣槍 ジャベレオン/百獣聖堂 レオサイユ/頂天聖 レオザワルド
1 x 天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン/天命讃華 ネバーラスト
1 x 浮遊する賛美歌 ゾディアック/賛美の精霊龍 ハレルヤ・ゾディア
 
 
このデッキはいわゆるロージアダンテのように攻撃を受けてカウンターするデッキではありません。システムクリーチャーによる妨害と雷面等で盤面を裁キきってフィニッシュまでつなげるデッキです。踏み倒しからの超過打点を防ぐために踏み倒しメタクリーチャーを7枚採用しました。防鎧の役割は踏み倒しを妨害するだけではありません。デスザークのタイガニトロやアナカラーのロストソウルなどリソースを稼ぐ手段の乏しいこのデッキには致命傷となる大型ハンデスを防ぐ役割も担っています。このデッキのメインの動きは4t目プレリュードを決めることです。4t目にプレリュードを抱えられる確率が75%を越えるように3コスト呪文サーチを2枚採用。このデッキの貴重なドローソースであり4t目に断罪スル雷面ノ裁キ→煌龍降臨の流れを生み出せるサッヴァークDGは最大枚数採用。踏み倒し効果にムラがあり命翼ノ裁キ、天ニ煌メク龍終ノ裁キを採用していないためST付与効果が防御に結び付きにくいDG~ヒトノ造リシモノ~は採用枚数を1枚以下にすることも考えました。しかし、先手4t目プレリュードを決められる確率を75%以上にしたかったので2枚だけ採用しました。このデッキに2枚だけ採用されているドラゴンズ・サインは受け札としての役割を期待して投入したわけではありません。雷面サッヴァークDGでドラゴンを踏み倒せない相手(盤面にクリーチャーを残さないアナカラーシャコガイルとか)に対して7ターン目にドラゴンを着地させるのでは遅すぎると感じたので5ターン目の展開札としての役割を期待して採用しました。
 
~良い点~
・マイナーなデッキなので初見殺しに期待できる。不毛な同型戦がおそらく発生しない。
 マナ置きからロージアだと判断してセンノーをプレイした相手に雷面をぶつけられたり相手の打点が丁度6点ある状況でも見えない受け札を警戒して攻撃を躊躇してくれるかもしれません。
・踏み倒しメタクリーチャー7枚採用。
 展開を踏み倒しに頼っているデッキ全般に強く出れます。1体ではGWDなどで崩されることも多いですが2体並べられれば十分に時間を稼ぐことが多いです。
・ミラダンテⅻ+ジャミング・チャフによる安全なフィニッシュ。
 この組み合わせが強力であることはすでにロージアダンテで証明済みです。オリジナリティのあふれる様々なデッキに当たることがGPでは予想されますが、この組み合わせを苦としない受けはかなり限られるでしょう。
・断罪スル雷面ノ裁キが強力。
 デスザークもジョーカーズも4tサッヴァークDG→断罪スル雷面ノ裁キを決められればかなり優位にゲームを進められます。今回は奇石コントロ+ホーリーギミックを採用して無理やりジョーカーズに勝ちにいくのではなく、不利対面であることを認めた上で勝ち筋を4t目プレリュードからの展開で捲ることに絞りました。4t目サッヴァークDG→断罪スル雷面ノ裁キを決めてもヤッタレマン→ニヤリーゲットを決められていて除去が間に合わない試合は割り切りましょう。
 

 デッキリストもすっきりとまとまっているしデスザーク、アナカラーにも優位が取れる。ジョーカーズにも勝ち筋は用意できている。バスターにもメタクリーチャーと無色が多いことが刺さるだろうし環境外のデッキにも盤面の取り合いは断罪スル雷面ノ裁キで優位を取れて遅いデッキにはミラダンテⅻ+ジャミング・チャフでとどめを刺せる。ハンデスとドロマーロージアはかなり厳しいが上記のデッキほど多くは当たらないだろう。

 

行ける。勝てる。予選で3連勝を決めた時まではそう思っていました。

 

以下がGP6th後の反省となります。

 

~悪かった点~

 ・リソースが伸びない。ハンドが増えない。総じてデッキパワー不足。

 これに尽きます。このデッキはコンボを決めるために複数の手札を消費します。しかし、手札を増やせる手段はサッヴァークDGと剣参ノ裁キの絡んだDG~ヒトノ造リシモノ~くらいしかありません。剣参ノ裁キもロジック・スパークも手札を増やしてくれません。また、雷面や煌龍、ミラダンテⅻなど手札に抱えておきたいカードを序盤にハンドが増えないためにマナに置かざるを得ない状況が多発しました。メタクリーチャーを召喚していた場合はなおさら。4t目プレリュードを決められなかった試合での動きの鈍さも気になります。

 

予選順位が発表されたとき、悔しさから「デッキ選択は悪くなかったよな・・・」と思わず口にしてしまいました。いいや、違う。リソース確保に難があることから目を背けてこのデッキを選択したことが明確な間違いです。GP当日の朝にイノさんから提案されたリソース確保するためのカードは自分のストレージに入っている札でした。さすがに直前も直前だったので採用はできませんでした。もっといろいろな札を試そうとしていれば事前に気づけていたかもしれません。上位チームには自分が構築を諦めたドロマーロージアが複数入賞していました。諦めることなくもっと構築を練っていれば戦えたのかもしれません。自分は上位3デッキのうち2つに優位を取れて残り1つにも勝ち筋を用意できるデッキを理想としてました。ジョーカーズに対しては勝ち筋が細いですがアナカラーとデスザークには優位が取れるサソリムカデループなんかは条件に近かったのではないでしょうか。ミラダンテⅻ+ジャミング・チャフに捕らわれることなくもっと他のデッキタイプを模索することもできたはずです。

GPで握るデッキはデッキパワーが十分である、もしくは相手に押し付けられる強ムーブの存在するデッキを持ち込むべきだと痛感しました。自分のデッキ選択を信用してくれたチームメイトのnoriozとあんずには申し訳ない気持ちでいっぱいです。どこかでリベンジできる機会があれば優勝しよう。

自分が次に参加するCSはおやつ関東でしょうか。自分からCSに出ようとすることはあまりないけれども誘われたらどっかしら参加するかもしれません。勘が鈍らないようにバイトが無い日はちょこちょこvaultの大会にでも参加しようかな。次の更新があるのかわかりませんが気長に待っていただければ幸いです。

 

 

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